サン・クエンティン州立刑務所は、サンフランシスコから車で40分くらい。カリフォルニア州で最も古い刑務所です。

そこの刑務所のメディアラボから発信されるポッドキャスト「Ear Hustle(いあ・はする)」が好きで、たのしみに聴くようになりました。

番組名のEarは耳、Hustleはハッスル。刑務所内の用語で、ひとの話に(ん・・なんだなんだ?)と聞き耳を立てること。

刑務所の生活について、サン・クエンティンに暮らす人達の話を聴いていく、インタビュー番組でもありドキュメンタリー番組でもある。

この記事では、ハリウッド製のドラマとはだいぶ違う、いま今あゆう子いちおし、ノンフィクションポッドキャストをご紹介します。

 

誰が作っている?

  • Antwan Williams(製作、プロデューサー、番組ホスト、音楽、イラスト。服役中にポッドキャストを始め、現在は出所している)
  • Earlonne Woods(製作、プロデューサー、番組ホスト。服役中にポッドキャストを始め、現在は出所している)
  • Nigel Poor(製作、プロデューサー、番組ホスト。サンフランシスコ在住のビジュアルアーティスト)
  • Rahsaan “New York” Thomas(プロデューサー、番組ホスト。現在服役中)

出演しているのは、サン・クエンティンに暮らす受刑者の人たち。ほんとにいろんな人がいて、それぞれの物語があります。

(エピソードができたら刑務所の広報官がチェックして「 This is Lt. Sam Robinson, and and I approve this story.👍🏾」 と言うのがお約束なのですが、この広報官の声がまたいい。)

刑務所の外に住んでいるNigelが、ちょっとセンチメンタルな話をシェアしたりすると、刑務所の中に住んでる人に「それ違うって・・(ポコペン)」とツッコまれたりするのも楽しい。

 

ここから聴けます

ポッドキャストはどこから聴いてもいいじゃない、と思うわたし。でもEar Hustleは、あえてシーズン1のエピソード1から、順を追って聴くのをおすすめします。

というのは、ストーリー仕立てで刑務所用語を教えてくれるので、後続エピソードでみんなの話に集中できるからなんです。(シーズン全体のエピソードの流れとテーマ選定が秀逸だと思う)

たとえばシーズン1のエピソード1「Cellies(せりーず)」のテーマは、刑務所内の部屋(=cell)を共有するルームメイト、つまりcellies。相性がよくないとしんどい。どうやってこの狭いスペースと人間関係の折り合いをつけていくか。(ルームメイトを受刑者同士で選べるシステムもある)

エピソード3の「The SHU(しゅー)」は、Security Housing Unitの略で、独房生活のこと。独房で(8年とか28年とか)暮らした人たちが思い出を話します。

エピソード5「Catch a Kite(きゃっち・あ・かいと)」のkiteは、凧揚げのたこですが、刑務所用語では手書きのメモのこと。手紙や絵葉書を指します。(手紙をもらうのは、このうえなくうれしいことなのだそうです)

他にも「ギャングだった頃」「ペット(←刑務所にも動物大好きな人がいる)」「結婚した」「人種」などなど、さまざまなテーマについて。

エピソードは90個くらいあるので、わたしもゆっくり聴き進めています。

 

トランスクリプト

すべてのエピソードのトランスクリプトが用意されています。PDFで印刷もカンタンきれい。

 

イラストがいい

モノクロの手書きの絵がいいな、すてきだな、と思ったら、前出のプロデューサー Antwan Williams が描いたイラストレーションでした。

 

音楽がいい

番組中に流れるオリジナルの音楽もいいな、と思うのです。サン・クエンティンで暮らす受刑者の人たちが作詞作曲・演奏していました。

MUSICのページでまとめて聴くことができます。前出のプロデューサー Antwan Williams も曲を提供しています。(こういうクリエイティブな人ってなんだかなんでもできるのよね・・いつもすごいと思う)

 

このほか出演者のポートレート写真や、リスナーの投稿コーナー(←ふだん何をしながらポッドキャストを聴いてるかを写真で説明)、リスナーから届いたkite(手紙や葉書)のギャラリー、FAQなんかもあって、コンテンツすばらしいです。

あちこち探検してみるとたのしいですので、ぜひ。

 

earhustle

[Image Source:スクリーンショットはhttps://www.earhustlesq.com/transcriptsのページです。]

 

本日のスペシャル

最初から聴いてとか言ったばかりですが、時間ないならシーズン1のエピソード8 Left Behindを。

journalならこう書く、diaryはこういう響き、の部分・・ホストと出演者の会話のピッタリ感がすごい。

そしてmass incarcerationについて読むならMichelle Alexander「The New Jim Crow」がおすすめです。

投稿kiteコーナーのさいごに、9歳のリスナーからの手紙が。涙どばー。ティッシュティッシュ・・

1日1新:早朝クッキング 朝は元気なので作業が速い速い
1日1冊:Kristen Meinzer「So You Want to Start a Podcast」つづき

↓寝る前にちびちび眺めている Grace Bonny「In the Company of Women」の1ページ。刺繍もいいですね!

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