なぜあなたがその本と気が合ったのか、惹かれたのか、29回くらい読んじゃったのか。
今ぼちぼち読んでみると、自分のアイデンティティのルーツが見えてくるかもしれません。あるいは小さくてもう着られない服のように感じるかもしれません。

あなたは小さいときどんな本を読んでいましたか?いま考えると何に惹かれて読んでいたのだと思いますか?
この記事では、わたしが子どもの頃に好きだった本を何冊かご紹介します。

 

「風の又三郎」宮沢賢治

転勤族でもないのに2つの幼稚園と3つの小学校に通ったわたしは、バリバリの転校生です。小学6年生のとき1年間だけ通った学校に転校してすぐ、クラスの男子ズがわたしに「宇宙だぬき」というあだ名をつけました。

“自分とは異質な、よくわからない遠くから来たもの”を表す宇宙 + タヌキ顔 = 宇宙だぬき

世界が広がった気持ちがして、いじめられ中なのに鼻歌うたいながら家に帰りました。わたしはうれしかったのです。
自分にぴったりの、センスある”あだ名”にパワーを感じたのだと思います。どうも誇りに思ったらしい。

この”あだ名”のパワーは、今も失われることがありません。

childrens books (3)

「風の又三郎」の転校生の本名は高田三郎。伝説の風の霊精である”又三郎”にちなんで、又三郎と呼ばれます。風の精というのがいいではありませんか。

Source: ポケット日本文学館 宮沢賢治 短編集「銀河鉄道の夜」140~141ページ

 

「クローディアの秘密」E・L・カニグズバーグ

ニューヨークに住む小学6年生の主人公がメトロポリタン美術館に忍び込み(←家出先)、そこで出逢ったミステリーを解決する、という話。

美術館に寝泊まりしてあちこち探検し、カフェテリアでご飯を食べて、空いてる時間に美術鑑賞ざんまい。夢のようです。

もしもあなたが長子の長女で、ルーティーンと段取りが好きで、小心者なのになぜか行動しちゃう方であれば、なおさら共感してしまう一冊ではないかと思います。しかしいちいち細かいクローディアです。

カニグズバーグの本は、すべておすすめ!図書館にわんさかありますのでぜひお試しを。

 

「大きな森の小さな家」ローラ・インガルス・ワイルダー

このシリーズ好きですか?わたしは何度読んでもあきることがなかったです。

食に関する執拗なほど細かな描写に、小学生のわたしは妄想を爆発させていました。ローラの本をもとに料理の作り方をレシピ形式にまとめ、ノートにエンピツでごりごり書いていた記憶があります。

りんごと玉ねぎの組み合わせがよい、などとえらそうなコメントを入れたり、牛の乳をバターにする方法や、カエデの樹液のメイプルシロップの作り方も忘れずメモ。(←忘れずメモしてどーすんの?)

一冊だけ選べと言われたら(誰もそんなこと言わないと思うけど)、ローラの夫アルマンゾの子ども時代を描いた「農場の少年」を。ここの家族はなんだかほっとしました。

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Source: 福音館文庫 ローラ・インガルス・ワイルダー作 恩地三保子訳「農場の少年」

 

「ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり」C.S.ルイス

4人きょうだいの冒険はもちろんおもしろいのですが!わたしはこのシリーズで人間関係について学んだ覚えがあります。

図書館で借りてきて、バッグから出したとたんに「ぱかっ」と自然に開いたページが、ブログに書きたかったこのページだったのです。

他の誰かもこのページが好きで、開きっぱなしにしていたのかな?と思ったらうれしくなりました。

ここです。

childrens books

「それでは、わたしたち、どうすればいいでしょう?」とスーザンがいいました。[中略]
「だれも思いつかないでいるが、やってみるだけのねうちのある、一つの考えがあるがのう。」
「それは、なんですか?」とスーザン。
「ほかのひとのじゃまをしないようにするということさ。」

最後のひとことは、「Mind your own business.」がオリジナルです。

Source: 岩波少年文庫 C.S.ルイス作 瀬田貞二訳「ライオンと魔女」71ページ

 

本日のスペシャル

週末の1日1冊:Gerald Durrell「Corfu Trilogy」、Carrie Dearborn「Quiet in the Tornado: A Disability Primer」、Ann Bannon「The Beebo Brinker Omnibus」、山本琢磨「ザ・マイクロコピー」

週末の1日1新:着手会、「殿様のだだちゃ豆 『むき豆』フリーズドライ」、グリッドフォームローラー、多肉植物

だだちゃ豆をいただいたので!ピュレにして蕪蒸し風に。おいしくてするする食べてしまいました。美しい緑色にも、うっとり。Oさん、ありがとうございます。

yamagata dadacha mame

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