心理カウンセリングを受けたら、かえってモヤモヤが増えてしまった話」を聞いて欲しい方*、「いいカウンセラーって、どうやったら見つかるの?」と質問してくださった方のために、書いています。

以前の記事にも書きましたが、わたしは高校を卒業してまもなく、初めて心理カウンセラーと会って話をしました。母が自死してすぐ、心配した大学の先生達が手配してくれたのです。(←アメリカ合衆国での話)

言葉にした気持ちをプロに受けとめてもらえる、思っていること感じていることを聞いてもらえるというのは、すごいことです。

なぜか最初の頃は、カウンセリングというサービスの消費者として、どうふるまったらよいかをみっちり仕込まれた覚えがあります。理由はわかりませんが、これがのちのち役に立つことになって、ありがたい。

おかげで日本に住みはじめた後も、変な(=ひどい、陰湿めちゃくちゃな)カウンセラーに遭遇した際は、自分を疑ったり責めたりすることなく、すたこらさっさと逃げることができました。(震えるほど動揺したし、腹も立つし弱ったけど、自分を守ることだけはできた)

すばらしいカウンセラーに遭遇すれば「おお」とよろこび安心すればよし。とにかく!

状況や条件は人それぞれですし、出会いには運や偶然もあります。わたしや誰かにとって「いいカウンセラー」が、あなたに合うかといえば、それもわからない。この記事では、わたしがカウンセラーに求めることやクライアントとしての経験について書きます。

 

目的は100%明確でなくてもいい

なぜ、なんのためにカウンセリングを受けるかって、人それぞれです。具体的なゴールがある人、モヤモヤしてるから誰かに話をしてすっきりしたい人、つらい気持ちを聞いてもらいたい人、いろんな人がいると思うのです。

たとえば「カウンセリングは心のエステ、デトックスという考え方もあり」と、ある臨床心理士の方は話していました。

長くカウンセリングを受けてみてわかったことがひとつ。わたしの場合は、「カウンセリングのゴール」を設定し、ゴールに向かっていろいろ達成していく、というタイプではないらしい。

わたしの目的は、自分にとって意味のある在り方を模索し、心理という切り口でサポートしてもらうため。

その過程をとおしてゴールがみつかったり消えていったりするタイプです。他にもいろんなタイプがあると思うのですが、あなたはどうですか?

わたしはたまたま母が自死して即刻カウンセリング!という出会い方だったけど、時間がたつうちに「なぜ、なんのために?」は変わります。

なぜ、なんのために?は、明確でもいいし、明確でなくてもいい。始めたときとはまったく別のことを話したくなって、それがあなたにとって重要なテーマだったのかもしれません。

 

こういう人がいいみたいです(わたしの場合)

なんだか気が合う人、安心できる人、いっしょにいてつかれない人、こういう人に共通している属性をあげてみました。

  • 女性だ:わたしは女のひとがいいです。
  • アジア人だ:国籍=人種ではありませんが、2018年の国勢調査によると97.8%が日本国籍を持つアジア人(リンクは英語記事)、残りの2.2%のうち大部分が日本国籍を持たないアジア人。わたしはほぼアジア人100%の日本に住んでいるので幸運。もしもわたしがアジア人女性のカウンセラーがすごーく少ない場所に住んでいたら、アジア人男性ではなく、別の人種の女性カウンセラーに範囲を広げると思います。
  • リベラル~プログレッシブ寄りだ:政治的なスタンスって、世界観とか文化とか価値観とだぶる。合わないと、同じ言語で話していても話はつうじないことが多いです。
  • 40歳以上だ:カウンセリングは人生経験の1長さx2幅x3深さが物をいう分野(と19歳のときから思ってます)。2と3はリサーチしたり会ってみないとわかりませんが、1は比較的すぐわかるので条件に入れてます。
  • プロ意識が高い:「仕事だからね!」と思ってるカウンセラーがいいですよね。
  • セキュアさんだ:3つの愛着タイプのうち「安定型」(リンクは日本語記事)のことを、英語でsecure personalityということから、勝手に「セキュアさん」と呼んでいます。カウンセラーはセキュアさんがいいです!

と思ってると、そういう人に会ったとき、それとわかるので助かります。

 

ディールブレーカー

ディールブレーカーとは、他の条件が完ぺきにそろっていても、その要素があるだけで、決断をやめたり交渉が決裂する条件のこと。他がどんなにすばらしくても関係なし、これがあったら一発でダメになる要素、ということです。

わたしにとってのディールブレーカーは、加虐的な言動。なにげないひとこと、ふとした一瞬の表情、捨てゼリフ。キャッチしたら即キャンセル、即さよなら、次ーーっ!です。

暗い目、笑ってない目、からかい、バカにした態度、こういったものを1ミクロン?でも感じたら、アウトです。

あなたの弱点をついてくるようなことがあれば、即刻ヤメです。カウンセリングってあなたの弱点博覧会なので、カウンセラーがそのネタを使ってあなたをいじめちゃいけないのです。こういうカウンセラーがいたら

(で、出た・・・さらば~~)

と思ってとっとと逃げましょう。わたしも会ったことがあります。(←ふたり)

「わたしの気のせい?」とか「ほんとにヘンかどうか周りに確認してみたほうがいいのでは?」etc.!みたいなことは、したり考えたりしなくていいです。

気のせいって、そもそも「気」のせいだからこそ信ぴょう性があるのでは・・?

(こんなブログのこんな記事を読んでくださってる方の直感はたいてい正しいような気がしますが)間違えてもOKです。まったく問題ありません。

臨床心理士だけでも、全国に32,914人も(2017年の統計)いてくれるので大丈夫です。

あなたにそういう態度をするからって、他のひとにもしているかどうかはわかりません。確認してわかるようなことでもないし、そもそもいじめって、相手かまわずするものじゃないし。

いじめても大丈夫そうなターゲットをしっかり定め、容認されそうな状況を見極め、閉ざされた集合体の内や、なるべく周囲にわからないようにいじめるのが、いじめなのではないでしょうか。

みんなを平等にいじめてたら、それ、いじめじゃありません・・。

それと、感情を出すことと加虐性は、別物です。

カウンセラーは(たまには)泣いたり怒ったりしていいとわたしは思うのです。ちゃんとしたカウンセラーは、クライアントに感情労働を負担させない方法を知っているので、わたしは気にしません。

ダメなのは加虐性です。

 

守秘義務

ディールブレーカー以前ですな。

 

どうつきあうか

クライアントであるわたしもカウンセラーも、人間です。カウンセラーには幻滅していいと思うのです。わたしはたま~にしてます、幻を滅すとひとつおとなに?なれるし、マイ・カウンセラーとっても好きです。

カウンセラーは、約束した時間のあいだ、クライアントであるわたしの話を否定せずに聞いて、わたしを受け入れて見方になってくれて、心理面でのサポートをしてくれる(役割を果たしてくれる))人です。そして毎回よいヒントをくれたり、指導もしてくれます。

立場も役割も責任の内容も違うし、対等な力関係ではないけれど、両者が共有する場所と時間は、カウンセラーとクライアントがいっしょに作り上げているもの。

だから、その場所その時間を安全で有意義なものにする責任は、カウンセラーとクライアントの双方にあるのです。(←これわたしの主張でながらくの持論)

カウンセラーはプロフェッショナルとして相応のサービスを提供し、クライエントはそれを受け取る。それは役割。でも人間としての尊厳と責任は同じ。

責任っていっても何かがんばらなきゃいけないものではぜんぜんなくて、相手を人間としてあつかう、

自分にも主体的に関わる自由がある、

ってことだと思うのです。(カウンセラーに対して遠慮しがちな方は少しだけ気がラクになるかもしれません)。

そういうふうにしていると、お互い間違えたり勘違いするマージンを設けて、そんなもんかな、と流すのもたまにはいいような気がしてきます。

完ぺきなカウンセラーはいないし、完ぺきなクライアントもいないし、そもそも完ぺきな人なんて、いないのです。

PS それと、ひどいカウンセラーに遭遇してしまったら、とっとと逃げるべし&誰かに話すべし!ですよ。

 

カウンセラーショッピング上等!

究極的には会ってみないとわかりません。世界でたったひとりのあなたに合う安全な場所が、カウンセリングのどこかに見つかりますように。

この記事を、大好きなカウンセラーWさんとJさんとNさんに捧げます。

 

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*いますぐ誰かに話を聞いて欲しい方は、「よりそいホットライン」や「いのちの電話」に電話をすると話を聞いてもらえるかもしれません。

なかなか電話がつながらない場合は、「世の中のみんなにとって、聞いてほしくなる時間帯は何時ごろかな?」「人がさみしいと思う時間帯って何時ごろかな?」と妄想してみてください。これが混雑しやすい時間帯。

次に「みんなにとって、電話相談よりも他にしたいこと・するべきことがたくさんある時間帯って何時ごろだろうか?」とも。つながりやすい時間帯です。

都道府県によってもつながりやすさ・相談員の方々の感じが異なりますので、トライしてみてはいかがでしょうか。

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本日のスペシャル

十代の終わり頃に出会ったカウンセラー達は「この本を読め~」「この本も読むのだ~」と課題図書をくれるので、言われるままに読んで勉強になりましたよ。「ピアカウンセリング研修も受けるのだ~」と言われるままに出て、そのうち学生ピアカウンセラーに。ぼーっとしてたな・・。

二十代のときは、北米のある都市でクライシス・ライン(電話緊急相談)の相談員として電話を取っていたことがあります。いま思うと、そこでのスパルタ式トレーニングも幸運な出会いでした。

安全と生命にかかわる仕事なので、アホなことを言ったりやったりするたびに建設的批判フォーマットで指摘してもらえます。(毎回びびる)

未熟だったわたしを指導してくれた人たちは、ほんとに大変だったと思います。すいませんすいませんすいませんすいません・・いつも遠くから感謝しています。

最近の1日1新:ととら堂(逗子の古書店)、焼き栗(和菓子店こよみ)、初めてお会いした方々

最近の1日1冊いちおし:Langston Hughes「I Wonder as I Wander」ラングストン・ヒューズの旅行記、どこへ行って何を観たというよりも、誰と会ってこんなこと話した、こういう動きをしていて、自分はこういう反応をした、朝食はトーストとコーヒーだった、みたいなことをシンプルなことばづかいで淡々と。でもそこはラングストン・ヒューズの視点だから!すごいのですよね。詩人だし。

大雨のあとに散歩すると、猫とか虫とかいろんな動物が(わたし含む)「はー。やんだやんだ」ってのしのし歩いています。

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