以前の記事「ふと時間ができてAmazonでビデオを観るなら:おすすめ作品いくつか」でご紹介した「グッド・ワイフ」のスピンオフで、「グッド・ファイト」というドラマがあります。続編だけど、完全に独立した番組です。
舞台はシカゴの弁護士事務所、主人公は3人の女性弁護士で、事務所の共同経営者ダイアン、中堅弁護士ルッカ、新人弁護士マイア。時代は製作時と同じ、いま現在。わたしの勝手にメンターのひとり、エルスペスも出演していてうれしい。
わたしはこの番組が好きで、シーズン1と2をAmazonのプライム・ビデオで観ました。シーズン3はたぶん来年公開。
ありそうでなさそうで絶対ありそうな出来事がめちゃくちゃおもしろい。複雑なのにプロットわかりやすい。
登場人物がとにかく魅力的で、主役脇役関係なく演技がうますぎてどうなってるのかと思ってしまう。
シーズン2のエピソード13の終わりにルッカが出産します。赤ちゃんの父親コリンは、ときどき恋人同士なエリート検事(政治家に転向中)で、いいやつ。結婚はしていない。出産にはルッカ母+ルッカ父+コリン+コリン母が集まり、にぎやか。
ルッカが赤ちゃんを連れて病院を出る直前、ふたりきりになったとき、彼女のお母さんがコリンとの関係を訊いてきます。
お母さん: 誰かとの関係がうまくいってるかどうかわかる方法を教えてあげる。家に着いてガレージのドアを開けたとき、彼の車があったらうれしい?がっかり?
ルッカ: そもそもうちはアパートだから。ガレージないから。
お母さん: へりくつ言わないの。じゃ家の前の道に彼の車がとまってたら?ひとりでいたい?彼といたい?
ルッカ: そもそも家に帰ったとき彼じゃなくても誰もいて欲しくないから。
お母さん: ふーん。じゃ、それが答えね。
ルッカ: なにそれ。一生ひとりでいろっていうこと?
お母さん: ちがうわよ。車を見てうれしく思える人に会うまで待つのだ。
ルッカ: 南カリフォルニアの人の言いそうなことだわ。ブツブツ。
家への帰り道、コリン(赤ちゃんの父親で、ときどき恋人)が運転する車の中でも、冴えない顔つきのルッカ。どよん。
コリン: そういえばマイアとマリッサが赤ちゃん見に寄るって言ってたよ。
糸がほどけるようにゆっくりと、満ち足りた笑顔になるルッカ。コリンの車がアパートの前の交差点を右に曲がると、親友ふたりが乗る青い車が見えてきます。
この記事を、わたしの親友ふたりに捧げます。
本日のスペシャル
わたしが大好きなシーンです。その人の車が家の前にとまっていたら、うれしくてほっとする相手。今日のあなたにとっては誰でしょうか。
1日1新:セブン・イレブンの「野菜を食べたいあなたへ」シリーズ
1日1冊:Jack Halberstam「Female Masculinity」、遠藤陶「ライト館の幻影:孤高の建築家 遠藤新の生涯」少しずつ
ヨス「自分のブログ好きですか? 自分が「ときめく記事」を書いていけば良いと思う」
UDトーク「UDトークの正しい使い方、とは?」
阿古真理「『小林カツ代』人気再燃は何を意味するのか 没後3年、レシピ本やエッセー本が続々発売」という東洋経済オンラインの記事から引用↓
私は『家庭料理』って言葉の裏に、ねちっ、どろっとしたものを感じてしまうの。そこには、家庭=主婦=食事を作る人、という図式がもう見え見え。
たかが命をつなぐための食べているだけなのに、大騒ぎしなさんなって言いたいですよ
1990年代初頭の、未発表の原稿からだそうです。共感。料理はあんまりてんぱらないほうがいいな。てんぱるってことは何らかの抑圧が存在するしるし。さっそくこの引用の本を図書館で借りてきます。