メンターといっても、会社のメンター制度に参加したり、そういうサービスを自費で利用する、という話ではありません。(←そういうのもいいですよね。わたしは自費で利用して感謝しています)

規模の大小や内容にかかわらず、意思決定のプロセスにおいて、

「あのひとならば、どう振る舞うだろうか?」

こういうふうに自問するとき、しばしばわたしの脳内に登場してくれる人々のことです。

わたしは彼らを勝手にメンター(勝手にメンターになってもらったから)とか、なりきりメンター(わたしがその人になりきるから)と呼んで、日常生活や仕事の具体的なヒントや知恵やひらめきを受け取っています。

ひとことでいえばインスパイアされるってことですね。毎日小さくわたしを支えてくれる人達です。

実在の人物でも、本やドラマに出てくる架空の人物でも、違う時代に生きていた人でもいい。

わたしの場合、勝手にメンターは何かしら自分と共通点のある人。自分にしかわからない共通点かもしれませんが、何かしらある。

この記事でお伝えしたいことは3つです。

  1. 心のメンターはあらゆるところに見つかる
  2. 心のメンターについて話すのはおもしろい
  3. 連休中にビデオ配信サービスでドラマを観るなら「スキャンダル」と「グッド・ワイフ」をおすすめ

それと、わたしの勝手にメンターをご紹介いたします。(ジャンルごとにメンターがいるのがわたし流?かもしれません)

 

在り方(と仕事)

Empress Emerita Michiko

少し前のことですが、トップ通訳者の知り合いが電話をくれました。

「今日は仕事で感動したことがあったの。Empress Michiko はプロの職業人。ベテランの仕事。指示も何もかもすばらしい。こんなわたしがシュンとおとなしくなってしまったのよ、あゆう子ちゃん、信じられる?」

その通訳者の方は、自他ともに認める傍若無人なのです。(たぶんなにかの症状で、表裏がなくていいとわたしは思うけど、ドキドキはする)

わたしは直ちに Empress Michiko を見習うことにしました。傍若無人なひとでも「シュンと」おとなしくなるようなオーラを身につけるのだ。そしてずっと仕事をしよう。

 

エルスベス・タシオニ

「グッド・ワイフ」というアメリカの法律/政治ドラマの登場人物です。シーズン1のエピソード20で初登場します。

このドラマの主人公は弁護士で、周りも弁護士だらけ。彼ら自身が訴訟に巻き込まれて窮地に陥ると頼るのが、天才弁護士エルスベスなのです。弁護士の弁護人なのですね。

みんなの前でへんなことしちゃったかな、と感じたら、わたしにはエルスベスがいる、と心でつぶやいています。周りの人々がぎょぎょっとしていても、いいのだ。みんなわたしのことが好きだし。みんなと違うけど(食べてるものとか)いいのだ、自分のやりたいようにするのだ。

定型発達者なわたしは、そうでない人に学ぶことがけっこうあります。

 

祖母

2年前に祖母が亡くなったときに旧友が手紙をくれて、祖母に初めて会ったときのことを書いてくれました。

「この人をいじめる人なんてぜったいに居ない、と思った。いじめられっ子メンタリティの自分には衝撃だった」

と書いていたくらいに不可侵性を持っているひとでした。 (大正うまれのちっちゃいマダムでしたが)

孫のわたしはそういうものだと思って意識したことがなかったのですが、手紙を読んで以来、ときどき祖母になりきってその辺を歩いてます。

 

かわし方

オリヴィア・ポープ

アメリカの首都ワシントンDCを舞台にしたドラマ「スキャンダル」の主人公で、職業はフィクサー。依頼人である要人の醜聞を細工して、心温まる物語に作り変えたりするのが仕事です。ウィキペディアによると

正規の手段によらず、意思決定の過程に介入する資金、政治力、人脈などを持つ人物がフィクサーと呼ばれる。

プロットの型としては、このような流れになっています。

VIPが困った状況に陥る

オリヴィアのチームが対応開始

VIPが弱音を吐いたり拗ねたり投げやりになる

オリヴィアが喝を入れる

VIPがいきなりやる気を出す

事態好転

めでたし(しかし次なる事件が…)

オリヴィアが喝を入れるシーンを観るたびに聞き惚れます。(お風呂などで真似する)

何かうまくいかないことがあって自分が拗ねた気持ちになったときは、オリヴィアになりきって己を励ますこともあります。ドラマを集中して観ていた頃は、しょっちゅう乗り移っていました。

励まされるというのもありますが、そんな自分がおもしろすぎて笑えるのがいいです。

それと、オリィヴィアは膨大な感情労働に対し、それ以上に大きな値札を付けて回収している(らしい)のにもインスパイアされます。

 

立ち方

バレリーナとおぼしき人びと

バレエ公演の夜、東京文化会館のいたるところで見かける、空気のうすーいベールをまとったような佇まいの人びとです。

天井から見えない糸で頭がつる下がってる、という表現をよく聞きますが、ほんとにそのとおり。

休憩時間のお化粧室の列に並んでいるときも、廊下でお友達とおしゃべりしている内容がなんでも、美しい。

ので、わたしも何年か前にバレリーナになることにしました。バレエ教室に通うのではありません。ただ、

「わたしはバレリーナ。」

とバレリーナのふりをしてその辺をうろうろするだけです。でもこれで猫背が治りました。おそるべし妄想の力。

あなたは最近、誰になっていますか?

 

本日のスペシャル

1日1新:日本郵船歴史博物館のミュージアムショップ(独自の世界、小さくて軽くてデザインが洗練されたもの・情報が見つかります。一見の価値あり)

1日1冊:ドゥーパ!特別編集「DIY木工上達テクニック」、Hugh Lofting「The Story of Doctor Dolittle(ドリトル先生アフリカゆき)」どちらも続きを読む。お気に入りの部分も繰り返し読む。

mentee

 

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