けつろんから言います。ハッピーエンドです。
ドラマの舞台は 1830年代のイギリス北部ヨークシャー州。主人公のアン・リスター(1791~1840)は実在したブッチ・レズビアン*。
先祖代々の領地を相続した平民地主(貴族のすぐ下の階級で、爵位がない以外は貴族とやること同じ・・とはいえ爵位は重要)として地所と小作人を管理するとともに、
- あらたに坑道を掘って石炭を採掘したり、
- シブデンホール(1420年ごろから存在するボロボロの館)を改築したり、
- 別の館でホテルを経営してみたり、
いそがしい。それだけではなく
- インテリとして知られ:ラテン語ギリシャ語フランス語・・科学地学解剖学・・
- 山岳家としても知られ:フレンチピレネー最高峰のビニュマール登頂←ガイド以外では初登頂者、モンテ・ペルディード登頂・・
- 旅行家としても知られ:モスクワの友人に「ロシア人だってしない」と言われても気にせず真冬のヴォルガ川(←凍ってる)沿いに馬車で南下、コーカサスからペルシャへ抜ける途中、現在のジョージアで虫に刺され高熱で死亡。
そして日記に逐一記録する。日記はユネスコの世界記憶遺産に登録されており、英語で400万語。日本語にすると1,000万字くらい。
文庫や新書は1冊12万字だそうなので、1,000万÷12万=文庫83冊ぶんくらい日記を書いたんですね。ふぅ。
なんだかつかれてきましたので、ビデオをご紹介します。
*ブッチって何?とお思いの方は、こちらの記事をどうぞ。
さっさと YouTube ビデオ
最終話の再会シーンをご紹介しますね。ごらんのとおりとてもロマンチックです。(5分。英語の字幕つき。Amazon Prime ビデオでは日本語の字幕がついています)
どういうシーンなのかを手短に説明いたしますね。
主人公(ブッチなほう)は、恋人(プードルなほう)に「妻になってくれ」と再三プロポーズしていたのだが、
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恋人はYESと言ってみたりNOと言ってみたり、決心できない。精神的につかれた恋人は、スコットランドの姉のところで療養することに。
↓
主人公も旅に出る。しかしデンマークで最愛の叔母の重体を知らされ、冬の北海を渡る小さな船でイギリスへ向かい、
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命からがらヨークシャーの家に戻ってきたところ。2週間くらい着の身着のままだったのでヨレヨレ。←上のビデオの場面のはじまりは、ここです。
どこでみられるか
「ジェントルマン・ジャック 紳士と呼ばれたレディ(字幕版)」は、Amazon Prime ビデオで購入できます。
シリーズ全8話で 3,200円。合計 8時間ぶん。いちど購入すれば何度でも好きなときに見られます。
(わたしは友人のお誕生日プレゼントにしました。ビデオを贈ることはできないので、Amazonギフト券で同じ金額を贈り、ギフト券を使って自分で購入してもらいました。楽しんでもらえてよかったです。こういう贈り物もいいですね)
もっと YouTube ビデオ
こちらをどうぞ。4本あります。
「アン・リスターがチャーミングなまとめ7分(Gentleman Jack- Being Charming for 7 Minutes)」
「アン・リスターのパワーウォークまとめ7分(Gentleman Jack- Being Dapper and Storming Off (A Montage))」
「アン・リスターのさらなるパワーウォークまとめ7分(Gentleman Jack- Being Even More Dapper and Storming Off)」
「アン・リスターがウソをついている場面まとめ3分(Compilation of When Anne Lister Lies)」
去年の夏、ロンドンの書店に何列も平積みになっている新刊を「なにこれ?すごい量。ひとつ買う」と購入したのが、アン・リスター日記の抜粋と伝記本「Gentleman Jack: The Real Anne Lister」でした。
あまりにもおもしろいので別の著者のアン・リスターの日記本を読み、ドラマを見ました。はじめは頭の両側のカニクリームコロッケみたいな付け毛に違和感がありましたが、すぐ慣れます。
日記の内容と史実を絶妙かつ忠実に織り込んで、ドラマでは(事実とは異なる)あらたな物語を作り出した脚本と演出がすばらしい。あと役者がみんなうますぎ。アン・リスター記事つづく!
[Image source: Gentleman Jack BBC / HBO / 2019 COSTUME DESIGN BY TOM PYE]
本日のスペシャル
ひとつめの記事にあります。