相手との関係のなかで、あるいは集団のなかでの自分の立ち位置を決め、とりあえず謝っておくことで、のちのちのトラブルを避けたい、穏便にいきたい、ってことだと思うのです。

(最初に謝っておくからあとで文句いわないように。)

(身分をわきまえておくから仲間にしてね。いじめないでね。)

日本で日本の文化にひたって育ったわたしには、ごくふつうの行動に思えます。

それでもわたしは「英語がヘタでごめんなさい」は、言いません。

コーチングのクライアントや生徒さん達にも「英語がヘタと謝らないこと!」とお伝えしてきました。

それはなぜか。

「英語がヘタでごめんなさい」という言葉は、あなたを守ってはくれないからです。

どういうこと?とお思いでしょうか。

この記事では、なぜ「英語がヘタでごめんなさい」があなたを守ってくれないかについて、あれこれ書いていきます。

英語に自信がないのは日本のひとだけじゃありません。みんな感じているのです。誰だって自信はないのです。(わたしも自信はないです。他はいろいろあるけど)

このブログに何度か登場している Eさんについて書きますね。Eさんは旅行のSNSでわたしを見つけ、家に泊まりに来てくれた人です。(白人のフランス人でそのとき19歳)

Eさんのプロフィール欄には「英語がこんなにヘタでごめん。ほんとにごめん!」と書いてありました。その話題になったとき、

「こんなのは自分じゃない。自分はもっと違う!もっと違うふうに話したいんだ!英語を!!!」

と訴えるのです。

フランス人は英語が苦手っていうじゃない?とお思いでしょうか。

たしかに。フランスの多くの人が英語を話すことにストレスを感じているのは、フランスに数日いるだけでわかりました。英語恐怖症は日本だけじゃないのですよね。(全世界的よね)

でも北ヨーロッパは?ふつうに完璧な英語をしゃべるではないか。

・・とよく言われます。たしかに。ドイツやオランダ、北欧の人たちはたいてい、なんらストレスなくふつうに英語をしゃべって(るように見え)ます。

でも屈託がまったくないわけじゃないのですよぜんぜん。

なんでそんなこと言うのさ、あゆう子。

だってわたし、彼らがぼやくのを聞いてるから。(←長年ボヤッキー担当だったあゆう子)

アメリカやイギリスの、英語しかわかんないような人(英語以外もわかる人ってまずこういうこと言わない)に、

「英語うまいね」「わー、英語かんぺき❤」とか言われるのむかつく。

この場合の「英語うまいね」って、言ってる本人が意図しているか否かにかかわらず、

「もともと英語を話す私が上。あなたは下」「私は評価を下す側。あなたは評価される側」と、相手に身分の差を思い出させる(あるいは身分の差を思い出させる目的で使われる)言葉です。私は中の人間、あなたは外の人間。と言ってます。

オランダの白人のひとが、「自分は英語うまいのに」と顔をこわばらせて力説してました。(←おととし)

つまり(ふつうに完ぺきな英語を話していても)自分は評価される側であるという事実をめっちゃ意識してるってことです。そして傷ついているのです。

アメリカ合衆国で生まれ育ち、むしろ英語しかわかんねーよ!な人達にも、そういう思いをしているひと達がいます。

若いアジア系アメリカ人のひとで、異常に早口な人がいました。

いつもってわけじゃなくて、近くに知らない白人のひと達がいるとき。それとか公共の場所。(ポッドキャストや YouTube なんかでも「あれ?」と気づくことがあります)

で、実際にきいてみたことがあります。(もちろんそういうことを語るような状況だったからですが!)

わたし  「わたしが間違ってるかもだけど、訊きたいことがあるの。違ってたらごめんね。
あの、早口になるのは、周りの白人に自分が合衆国出身だとアピールするため?」

知人   「あ。。。。。そうだと思う。。。。なんでわかったの?」

なんでって、あなたたちさんざんイヤな思いをしてるじゃない。

たとえばこんな:

白人アメリカ人   「へえ。英語うまいね。どこから来たの?」
アジア系アメリカ人 「オハイオ州」

白人アメリカ人   「いや、そうじゃなくて。どこから来たの?」
アジア系アメリカ人 「オハイオ州」

白人アメリカ人   「だから~~。出身はどこ?」
アジア系アメリカ人 「・・・・・」(オハイオ州つってんだろボケ!!)

このパターンの会話を再現した YouTube ビデオの超おすすめを、ふたつご紹介しますね。コメディってすごいな。

ネイティブスピーカーだって、これですよ。問題はあなたの英語スキルとは別のところにあるんだもの。

「英語がヘタでごめんなさい」という言葉は、あなたを守ってはくれません。

いますぐ削除しましょう。

 

study

(で、英語がうまくなりたい場合、体力など余裕のある方は勉強するとうまくなりますよ。)

 

本日のスペシャル

うちに泊まってくれてから2ヶ月くらいして、いまどこかな?と旅の途中のEさんのページを見てみました。「英語がヘタでごめん」のくだりは跡形もなく、ガンガン英語でお友達とやりとりしてた。👍🏾👍🏾👍🏾

最近の1日1新:ベトナムのバナナ、初めて会った方々、赤いキウイ、茅ヶ崎「一茶」、相模線、初めて行った町、Thirst Aid Kit(ポッドキャスト)、2021新茶(おいし~)
昨日の1日1冊:Laura Kate Dale「Uncomfortable Labels」つづき、出先で片付け本をいろいろ(整理整頓されていても物が多い写真つかれる)

 

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