長く患っていた叔母様が亡くなったことを、幼馴染が知らせてくれました。
S家は大家族で、生れたときから一緒に住んでいた叔母様は、幼馴染とごきょうだいにとっては家族そのもの。
「姉も弟も思い出がたくさんあるからね。家族だからね。うさぎのダンスしたり、夕食ができるまでの間によく電車を見に連れてってくれたのよ。会社から帰ってきてから」
仕事が終わった夕方、小さな姪っ子と電車を見に行くのはどんな気持ちだったのでしょうか。
ユニクロが爆発的に話題になり始めた頃、叔母様のお誕生日のホームパーティーにわたしも招待されました。大家族S家のパーティーは盛大なのです。
幼馴染とごきょうだいからのプレゼントは、ユニクロの(たしか)シャツ・スラックス・カーディガン・ベルトの一式。包みを開けて
「おーーーっ」
と一同湧く。
叔母様は即座にふすまの向こうでパパパパっ!と着替えてもどり
「おおおーーーーっ!」
さらに沸く。
C子おば様、早っ…。
幼馴染いわく「あの人はなんか動きがこう、フットワークの軽さがすごいよね、ふふふ」
叔母様の定年退職のお祝いの会食で、立派な印鑑と、お小遣いをいただいたことがあります。姪っ子甥っ子だけでなく、わたしにもまったく同じもの。もちろん印鑑はわたしの名前で作ってくださったのです。
いろんな事情で近しい家族がいなかったわたしは、ちょっと静かな、立ち止まっていっしゅん息を止めて考えるような、そういう気持ちになりました。
これからはわたしもこういうふうにしよう。そこに居るひとには同じようにしてあげよう。知ってる子も知らない子も、その場に居るひとには同じようにしてあげよう。
よく考えたらお祝いを受け取るべきは退職した叔母様のほうなのでは?(←気づくのがおそい)退職金もらったからみんなにおすそ分け、というようなことを言ってらした記憶があります。
そしてなぜ印鑑だったのでしょうか?
幼馴染「うーーん、わかんないね。あの年代の人にとっては何か意味があるのかもしれないね」
わたし「御守りかしらね!」
叔母様にいただいた印鑑は、以来すべてのことに使っていて、わたしは請求書も契約書も些末な手続きもみんなこれ。立派すぎて分不相応と見られることもありましたが、それでよかったのです。御守りなのですから。
C子おば様、Mさんはさみしがっています。わたしもさみしいです。ゆっくりおやすみください。
本日のスペシャル
1日1冊:中村薫「人見知りで出不精だったOLがコミュニティの女王になった理由」、Scrivenerの本、Julia Cameron「The Artist’s Way」、Janet Evanovich「Notorious Nineteen」続き。
1日1新:丸八製茶場のほうじ茶(いただきもの)
なんというぐうぜん。ブログにスターバックスのティーラテほうじ茶のことを書いたばかりでした。家にはスキムミルクパウダーしかないので、週末はどこかで豪華なほんものの無脂肪乳を買ってきてほうじ茶ラテを作りますよ。