(続きです。ここからお読みになった方は、よろしければ前回と前々回の記事も合わせてごらんください。)
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勝手に邦題「ポリーに聞け!」
「How to Be a Person in the World」というタイトルが長いですし英語なので、このブログでは勝手に邦題「ポリーに聞け!」と呼ぶことにしました。←今年出たばかりの新しい本なので、今のところ英語版だけなのです。
この本の相談者は、New York Magazineという雑誌の読者です。相談者は主に20代30代で、回答者の「ポリー」は、40代後半のエッセイスト。
典型的な「ポリー節」は、
— そうなんだよ!そりゃそうだよ!
— だけどね、実はこうなんだよ。
— わたしならこうする、だってこれこれこうだから。←具体的
— そのココロはね、これこれこう。こうしたらうまくいく。←具体的
— だいじょうぶ、あなたはこれこれこうなんだから。
こういうひとは読んで欲しい
おかしな事があることを知りながら、多くの人が気づかぬふりをしていても、見て見ぬ振りをできないひと。
人がそのことをわかっていながら黙っているとき、なんだか口に出さずにいられないひと。
自分の生の感情を感じる能力があり、人が黙って見過ごす矛盾を見過ごすことができなくて、
(自分で考え、創り出すという意味において)クリエイティブなことをしないでいると具合が悪くなってしまうひと。
考えすぎ、感じすぎ、分析しすぎ、気づきすぎ、行動しすぎ、ときに話しすぎ、ときに黙りすぎなひと。
人と違う自分がおおむね好きで、そんな自分を変えたくないけれど(変えられるわけもない)、こういう世界に生きていて傷つかないわけではないひと。
読んで欲しい、そのココロは?
そういうひとにとって、この本の相談者全員(か少なくとも85%くらい)が多かれ少なかれ、「あなた」です。
表面的な「事情」や「物語」としての悩みは違っても、根底に流れる「こういうあなただからこういう悩みがある」の部分は一貫しているから。
周囲の人に煙たがられたり、びっくりされたり、誤解されたり、めんどくさいやつだと思われたり、避けられたり、世界が冷たいと感じながらも、
人と違う自分がおおむね好きで、そんな自分を変えたくない、なにより変えられるはずもない、
それでも世界に気にして欲しい、人と関わりたい、自分を表現したい、と熱望しているひとのための本。
なぜ長々この本のことを書いているか?
まずは、わたしがこういうひとだから。20代30代の自分そのものだからです。(←恥ずかしい)
もちろん今の自分にも形を変えて残っていますよ。何十年経ってバージョンが進んでも、同じプロダクトのわたしですから。
次に、回答者であるポリーのアドバイスと同じようなことをして、わたしも実際に大丈夫になったから。(ポリーと気が合う!)
すごい人物になっているとか、すごいことを成し遂げているとか、そういうことではなく、
世界と(前よりもずっと)うまく関わることができるようになり、生きるのがラクになって、自分が好きでいられる、という意味です。
20代30代の「こういうひと」には、ポリーのアドバイスにあるように、自分を守りつつ無防備さもキープし、自分を大切にして、おもしろいことをたくさんして、へんなこともたくさんして、
世界にそれを見せて欲しい。楽しみ。
本日のスペシャル
1日1新x3日分: 初めての回転寿司(朝早くから開店と同時に入ってお店も魚もピカピカ)、人参ピュレで即席リゾット、知らない和菓子屋さんで栗だけの姫最中(外さくさく中とろり美味。また寄る)
「イスラム世界の人生相談」の相談者は、イスラム教の信者でした。イスラム教の決まりごとに合うか否か、が回答者の視点であり、相談者(を含む読者)が最も気にして知りたがっている点でもあります。はっきりしない場合、どうにもならない場合は、「神に祈りましょう」で〆。
人生相談ってほんとに、「こういう悩みがあります」ではなくて、「こういうひと(達に特有)の悩みがあります」ですね。トライブtribe万歳!