[2021年1月に追記:2/7(日)に、この本の読書会を開催します。ご興味おありの方はどうぞ。]
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パートナーや恋人によろこんでもらおうとがんばってみたのに、どうも反応がない、ありがたがられない、スルーされ…そういうことはありますか?
もしかすると、通じてないのかもしれません。
結婚カウンセラーとして30年間カップルを観察したのち、愛情を表現する/認識する方法には、5つのパターンがある、という本を書いたゲーリー・チャップマンという人がいます。
著書である「5 Love Languages」シリーズが世界中で大ヒット、新版も売れている。(内容は古いですが「愛を伝える5つの方法」という日本語版も出ています。)
この5つの言語という概念が非常に興味深く、会話を盛り上げてくれるのです。あなたの言語はどれでしょうか。
パートナーだけでなく、周囲の人々の主要言語が何かを考えてみると、思い当たることがあるかもしれません。
チャップマンの主張は:
- 愛情を表現する方法は、ひとによって違う
- 愛情を認識する方法も、ひとによって違う(!)
わたしが思うに、とくに重要なのは2。聞こえ方、感じ方、受け止め方が、ひとによって違うのです。
5つの言語
ある言語を知らない人に、その言語で愛を語っても、その人にはあなたが何を言ってるのか伝わりません。
愛を伝えるには、相手にわかる言語を使う必要があります。チャップマンが見い出した5つの言語は:
1肯定的な言葉(Words of Affirmation)
思いを言葉にして表すこと。感謝、賞賛、励まし。勇気を与える言葉、優しい言葉、相手を尊重する言葉。
2クオリティ・タイム(Quality Time)
相手のために時間を作り、いっしょに過ごすこと。いっしょに楽しむ。目の前の相手に注意をそそぐこと。
3贈りもの(Receiving Gifts)
相手を思っていること、考えていることを表現するプレゼント。品物の金額ではなくて、それが象徴する思いが重要。
4何かをしてくれる・何かをしてあげる行為(Acts of Service)
勉強や仕事を手伝う。猫の世話、花を活ける。料理や掃除など、ほとんどの家事や雑用はAct of Service。
5スキンシップ(Physical Touch)
手をつなぐ、抱きしめる。性的なふれあい。パートナーといっしょにソファでくっついて座るなど、性的でないふれあい。
あなたの言語、あなたにとって大切なのは、どれでしょうか。
みつける方法その1:リストで考える
- 相手から得られなくてつねづね不満に思っていることリスト
- 相手がしてくれないと感情的になったり傷ついてしまうリスト
- 相手に愛情や好意を示すときに自分がすることリスト(自分がしてもらってうれしいことを相手にもしているんですね)
これを書くと、だいたいわかります。
自分以外の人についても、これを考えるとあの人の言語はきっとこれかな?とわかりますよ。
みつける方法その2:無料判定ツール
30個の質問に答えることで、5つの言語のスコアがわかります。スコアが高いものが、あなたが話す・あなたに聞こえる「主要言語」です。
カップル向け・シングル向け・妻用・夫用といろいろありますが、基本的な内容は変わりません。試しにやってみたところ、結果もほぼ同じでした。
親友Sさんの場合
友人Sさんの「言語」の判定結果を、スコアの高い順に並べると、このように。(親友の許可と協力を得て書いています。Sちゃん感謝)
スキンシップ(Physical touch) 10
肯定的な言葉(Words of affirmation) 9
贈りもの(Receiving gifts) 5
クオリティ・タイム(Quality time) 4
何かをしてあげること(Acts of service) 2
親友いわく
「これは…これはすごいね」
「なんで私がいつも白人の男とつきあってきたのかわかったよ!!日本の男だとスキンシップはけっこう難しいよね」
親友の旦那さんは北ヨーロッパ出身の白人で、しょっちゅうぎゅーっと抱きしめてきたり、くっついてきたり、スキンシップたっぷり。
そして親友いわく、「あゆう子ちゃん、Acts of serviceって何?いまいちわからないな〜」
それ自体がどんなものかわからないくらい、ピンとこないのです。そりゃそうですよね。スコアが最も低い=重要度低い!
友人に訊いてみました。Sちゃんの主要言語であるスキンシップと肯定的な言葉が得られないと、どうなる?
主要言語はそのひとにとって価値のあるもの。ということは、それが得られなかったり奪われたりしたら、腹がたつのではないかしら。パートナーとの関係だけではなく、職場でもそうなんではないかしら。
「そうなんだよ!これだよ!」と、分析好きな親友が、わたしのセオリーに自分の状況を当てはめてくれました。
その頃ちょうど友人は職場で「干されて」おり、上司相手に爆発(といっても自分の要望を単刀直入に話しただけ)し、言いたいことを言って、その場で解雇されたばかり。(←外資系企業ゆえ…)
友人は長いこと過酷な状況で働いていたのですが、実はそれほどはこたえていなかったそうです。というのは、友人にとって最も重要な要素である、スキンシップと肯定的な言葉が満たされていたから。
たとえ長時間労働でも、パフォーマンスのプレッシャーがあっても、同じチームの仲間達とオフィスを共有し(交流もスキンシップの一部ですよね)、ポジティブなフィードバックをもらえる(肯定的な言葉そのもの)仕事に就いていたからです。
ところが仲間の顔が見えないオフィスに移動させられ、ユーザのフィードバックがまったく届かない業務にされたとき、猛烈な怒りで何かが壊れた、のだそうです。(←友人は平らかで動じない性格)
爆発してくれてよかった。無事でよかった。長くなったので今日はここまで。
本日のスペシャル
1日1新:「らでぃっしゅぼーや」のお刺身
1日1冊:Hugh Lofting「The Story of Doctor Dolittle(ドリトル先生アフリカゆき)」
皆さまはドリトル先生、読んでましたか?作者は第一次世界大戦中、こういうところでドリトル先生シリーズを書いたのだそうです。それを聞いて:
執事(=わたし)「ブログ更新したいけどデスク壊れて大きな画面を使えないし…とか言ってる間にお刺身でも召し上がってとっとと更新したらいかがでしょう」
マダム(=わたし)「わかりました。まぐろにして」
執事 「はいはい」
上半分は親友のスコア。下半分はわたしのスコアです。何かと手伝ってもらって、プレゼントには「ほしいものリスト」から選んでもらえるとうれしいタイプのようです。