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何十年選手のベテラン慢性膵炎患者だったわたし。自己免疫性。(膵炎もちの方々は)ご存じのとおり、治る病気ではありません。症状が落ちついてきた近年は(パンデミックということもあり)特別な治療は行わず、食事療法と服薬のみ。
そんなわけで一生のおつきあい前提だったのですが。
今年の4月、検査の結果から、慢性膵炎が消えていたことがわかりました。あーびっくりした。医師も当惑。そりゃびっくりもします。そのときの様子と、わたしの気持ちについては、2024年7月16日の記事 「何かあったの? 慢性膵炎が治ったのですよ」 をごらんください。
自然治癒のニュースを聞いたときは、病気が治ったということが、どういうことを意味するのか、わかってなかったわたし。(←積極的に考えたことないし)治ってみないとわかりません。
この記事では、わたしが今の時点で
- 自分の身体・メンタル・生き方・暮らし方について、気づいたことを
- インターネットや本を調べたりしないで
- 自分のなかにある一次情報をもとに(目の前のドクターSの反応ふくむ)
慢性膵炎が治ったら起こったことを、思いつくかぎり書いていきます。順不同です。
ジーンズのジッパーが上まであがる
最初に気づいた身体の変化がこれ。わたしは長いことジーンズのウエストは、この動画のようにヘアゴムで留めていました。お腹まわりだけサイズが合わないからです。ジッパー上まであがらない。
5月の連休明け。ジーンズのジッパーが上まですーっと。ボタンもひょいっと留められる。あら?まだ新しいのに伸びてる?へんね。
不審に思い、家にある他のジーンズ3本それぞれ試着してみたら、ジッパーが上まであがります。なぬ?
!!!!!
慢性膵炎が治ったということは、炎症がなくなったということ。お腹ずうっと腫れてたんですね。おつかれさま。(Sドクターいわく:へぇ~そおなんだ)
トイレが遠くなった
夜中に必ずトイレに起きるのは、もともとトイレ近いのと加齢?と思っていたけれど、膵炎治ったら夜中にトイレに行かなくてよくなった。あら?(記録によると5月6月ゼロ回)
膀胱ずぅっと圧迫されてたんですね。おつかれさま。(Sドクターいわく:そうなのよ!妊娠するとトイレ近くなるのはそれが理由なんだから)
身体に起こされないので朝寝坊になり、スケジュール押せ押せの時代に突入していた我が家。最近やっと朝型ペースに戻り、快適よかったです。
違和感ない・痛くない
朝起きたらお腹なんともない。あったりまえか。炎症ないのだし。
近年は早朝に激痛で目覚めることはなくなりましたが、やっぱり目覚めのお腹の違和感は、ありました。気にせず早起きしてたけど。炎症ないってこういうことか。
お腹以外の「膵臓セット」も、なくなりました。背中・肩・首・頭、お腹と同時に発生する痛み、発熱。このへんを、わたしは膵臓セットと呼んでいます。近年はひんぱんではなかったけど、とにかくあちこち痛いのが慢性疾患。
インセンティブがないとサボりがちな人類だった
痛みだの違和感だのがない
↓
ヨガとボディワークをするインセンティブなくなった
↓
ヨガとボディワークをさぼる
↓
身体きもちわるい(インセンティブ発生)
↓
ヨガとボディワーク再開
↓
気持ちいい →(毎日やってます)
「白目」にならない
つかれたりお腹が空いて眠気をもよおすと、しばしば眼球後転していたわたし。授業中とか電車の中で眠くて「カクッ」となってしまう事象とは違い、しんどいのです。
最近は「白目」になることはありません。夜ふとんでネットみながら「カクッ」と iPhone 落としたりする幸運。
自分が病気だったことが、ほんとうにわかった
慢性疾患もちの人なら誰でも感じたことがあるかもしれません。
病気なのはわかっていても、受け入れてはいても、心のどこかで頭のどこかで
(気のせい?)
(自分おおげさ?)
(考えすぎ?)
(そこまでヒドイ状態ではないのでは?)
(もう少し我慢できない?)
(病気な人は自分だけじゃないし云々)
(たいしたことない?)
こういう思いが沸いて出ちゃう。長いこと病気だし、とことんわかっているつもりでも、それでも思ってしまう。(上に書いたようなことを人に言われることも多いですよね。いろんな人にこういうこと言われ続けると、そうかな、と思ってしまう瞬間もある)
でも治ってみてわかった。
わたしはほんとに病気でした。
自分を思っては涙が出、知らない慢性疾患もちの人々を(勝手に)思っては涙が出、かなりティッシュを消費したこの3ヶ月半。
よく考えたらこのブログだって、超低脂質レシピだの膵炎もちの人が心を守る記事だのクルミっ子五つに切って食べるとかチロルチョコ四つに切って食べるとか、800個とか書いちゃって(このひと完全におかしい・・)と思います。(←よいのです)
いま病気を抱えるあなた様へ:あなたの病気はリアルです。嘘でもまぼろしでも作り話でもありません。どこかのすっとこどっこいな誰かが
「気のせいじゃない?」
「大げさ」
「特別扱い求めてる?」
「そんなたいしたことないんでしょ」
「大丈夫でしょ。もう少しがんばってもらえない?」
「病気な人はあなただけじゃないよ?」
「みんな大変なんだから」
こういうことを言ったらば、心が傷つきながらも
「スットコドッコイ!」(←口に出して言っても安全な場合)
(スットコドッコイ!)(←口に出して言わないほうが安全な場合は心のなかで)
と言い返してほしいわたしです。彼らがスットコドッコイなのです。あなたではない。わたしも遠くであなたのために言い返しています。
再発の恐怖
朝まで一気に眠ったりお腹に何も感じない感覚を味わっているうちに、
「再発したらどうしよう」
ボンヤリ怖くなりました。何たべていいのかわかんないし、何たべてもあんまりおいしくないし、前よりさらに「そおっと」食べていたら体重が減ってしまい。
(注:ジーンズのジッパーが上がるようになったのは、怖くなったり体重が減るずっと前のこと)
しかたないので気にせずに買い出しして料理して冷蔵庫に入れて、てきとうに食べて1ヶ月ちょっとしたら食事も体重も戻りました。ふーやれ。いつだって怖いけど。
わたしの尊敬する大好きなメンターNさん語録から、ひとつご紹介しますね。
「いまできることを、しよう」
友達がいた
病気が治ったことについて心から自由に話せる人たちがいます。手放しで喜んでくれる人、真剣に言葉を選んで訊いてくれる人、聞いてくれる人、話してくれる人、考えてくれる人、気づかってくれる人、わたしを守ってくれる人。
生きてていちばんうれしく幸運なことです。ありがとう。愛す!
食餌制限に関し、惨めな気持ちになったことがなかった
よき友Mさん:病気なおって、これまで(何十年と)食べられなかった食べものが、食べられるようになるという可能性がな~。あるな~。
わたし:うん。
わたし:そいえばわたし、膵炎もちだった数十年、食べるものについて「みじめだ」と思ったことが、いちどもないの。
Mさん:(絶句)
良いか悪いかは関係なくて、ただ「自分は」そういう気持ちになったことがないんだ、と言葉にしたら認識できた。そういうタイプの人だ、ってことですね。
おまけ:これから(たぶん)起こること 3選
他にもあるけどそのうち 3つ、書きますね。
- 卒薬(時間をかけてじっくりやめる。Sドクターいわく:通院フリー大賛成!)
- 着物きてみる(お腹にしんどいのでやめたけど久しぶりにいいかも)
- 走ってみる(研究により長距離ランナーと膵臓疾患の関連性が示唆されているのでジョギングとかランニングとかしたことない。来年くらいに靴を入手?)
ボナペティ~
本日のスペシャル
1日1新:NISSEIのシュガーコーン(脂質1.0g。今週アイスクリーム作るのです)、デゥルイ・ディジョンマスタード(初めて買ってみたアイテム)
1日1冊:Augustine著 Sarah Ruden翻訳「Confessions」続き。Christopher Alexander「A Pattern Language」お気に入りの部分。
「A Pattern Language」は、わたしが大好きな本です。無料で読めるPDFが発行されており、ぜんぶではないけれど300ページくらい読めます。