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忘年会に新年会。クリスマスにお正月。膵臓が弱っている人にとって、みんなが集まって食べたり飲んだりする会は、少々緊張しますよね。
わたしはします。(遺伝性の慢性膵炎と診断されて20年近くで慣れましたが)
食べないほうがよいものをぼんやり食べて夜中に腹痛で目覚めたり、逆に食べられるものがなくて低血糖でフラフラになったり。失敗するたびカイゼンに励み?お腹を守る方法をあれこれ試してきました。
この記事では、膵臓をいたわりながら年末年始を楽しむためのヒントをご紹介します。
人の身体はナマモノですし、好みや考え方、事情も体調も、人それぞれ。あなた様の気になったこと、いいなと感じたことがあれば、それをお持ちください。
1 そもそもなぜその集まりに行くのか?目的を考える
何のためにそこに行くのでしょうか。例えば:
- お互いの一年の労をねぎらう
- お客様と仲良くなる
- ふだん会えない仲間の顔を見る
- 大好きな友達といっしょに過ごす
- 遠くに住む家族や親戚とふれあう
- 新年のわくわくを共有する
人に会うために行くのですよね!食べ物でもお酒でもない。
それからあなたが楽しむためです。
2 行く前に食事をすませておく
お店に行く前に、お腹に安全で気に入ったものを食べて(薬ものんで)おきましょう。
ホームパーティーに招待されているならば、事前にひとこと「あんまり食べたり飲んだりしませんが、わたしにとっては皆に会えるのがごちそうですから!」と伝えておけばOK。
自分に食べられるものがあるだろうか、これは食べても大丈夫だろうか、などと(空腹で判断力の鈍った頭で)考えなくて済みます。リラックスできますよ。
自分のお腹と心をじゅうぶんに満たしておくと、エネルギーに余裕ができて感じ良いひとでいられるのも助かる。
3 何が食べられるの?としつこく追求されたら
社交の場では宗教と政治の話はしない、と言われますが、食べ物(食べ方)も。アイデンティティと直結している話題なので感情的になりますよね。
あなたやわたしが何かを食べないからといって、怒ったりキレたりする人は、自分の内面を投影しているのです。あなたやわたしには、なんの関係も落ち度も無いです。そのように怒っている人に、
「自分の好きなものを好きなように食べ、他の人にも同じようにさせてあげるのが理想ですね」
と答えていたら、わたしは最近誰にも追求されなくなりました…。
このテーマについては他の記事にもいろいろ書いています。よろしければどうぞ。
4 飲み物を確保する
お店やお宅に着いたら、飲み物をいただきましょう。わたしは、水、お湯、アップルジュース、マンゴージュース、ハーブティーなどが好きです。
帰省や旅行には、お気に入りのカフェインレス紅茶やハーブティーのティーバッグを持っていくのがおすすめ。(軽いですし余ってもいいので多めに持って行ってください)パーティーって喉がかわきますよね!
5 帰省/旅行には自分の好き・安全な食べ物を持っていく
いつものお店で事前にたっぷり仕入れておきましょう。
旅行先で買えばいいんじゃない?お店なんてどこでもあるし、とお思いになるかもしれません。でも、
年末年始はいろいろイレギュラーな時期です。お店の営業時間が変わっていたり閉まっていたり、地域によってはコンビニエンスストアがなかったり、あっても棚がすっからかんかも。つまり先が読めないのです。
いつもと違うアウェーな場所で、空腹と疲れで判断力が鈍っているときに、先の読めない状況で食べ物を探すのは大変です。
安全な食べ物を持っていれば余裕ができて、先の読めない状況も楽しめますよ。
6 「食べろ攻撃」にどう対処するか?
自分の食べるものを自分で決めるのは、基本的人権である。くらいにわたしは思うのです。
そして、これはわたしもやりがちなので気をつけているのですが、人に食べ物をすすめすぎないようにしています。
自分が美味しいと感じるからといって、相手の好みに合うかどうかなんて、わかりません。
相手を尊重する気持ちとオープンマインドがあれば「同じ釜の飯」は不要。同じものを食べなくても心を通い合わせるのが可能なことは、あまり知られていない事実です。
ただ、相手に自分が作ったものを食べて欲しい、自分と同じものを食べて欲しい、という欲求は、人間の業なのかもしれません。
7 好きな人と過ごす
パートナー、友人、配偶者、恋人、家族、自分自身…誰でもいいです。
信頼できる好きな人といっしょに過ごしましょう。(なるべく)
8 誰かがいいこと言ってくれたら感謝する
親戚の集まりで「なんで食べないの?何だったら食べられるの?これは?あれは?」と(悪気はないけど)詰問されるわたしを見た伯父が
「いつもああいう風に言われるの、うざくない?かわいそうだなあ。うざいよなあ」と。
\(^o^)/
握手してもらいました。
9 よく噛む・ゆっくり食べる・少しずつ食べる
駅の待合室でも、立食パーティーでも、おでんの屋台でも。あなたの周りだけ、いっしゅん時間が止まった感じでもぐもぐと。
10 薬は多めに持つ
外出時、ポーチから取り出すときに薬を床に落としてしまい、「どうしよう…拾ってのむ…ムリよね」ということが、わたしはあります。最後のひとつだったりすると迷う。
決められたものを服用できるように余分に持つのがよいです。(服用薬の記録もあると安心なので、わたしはお薬手帳のページを写真に撮ってEvernoteに入れてあります)
11 身体を冷やさない・お腹を冷やさない
寒い季節は工夫と心がまえが必要です。
身体を冷やさない工夫は、洋服のしたにヒートテック極暖の上下を仕込むとか、腹巻きをするとして、心がまえっていったい何?とお思いでしょうか。
忘年会や新年会のメンバーがそろうのを外で待つ、イルミネーションの行列に並ぶ、夜中や早朝の初詣。このシーズンは冷える屋外イベントがてんこ盛り。
でも膵臓は寒さに弱いのです。「寒いな」「しんどいな」と思ったら脱落する勇気を持ちましょう。その辺のカフェに入ってもよし、途中でさっさと帰ってもよし。これがわたしが提唱?する、寒い季節の心がまえです。
12 自分を責めない
それでも食べてしまったら?飲んでしまったら?お腹が痛くなってしまったら?
そういう場合は自分を責めないで、助けを求めるとか病院に行くとか暖かくしてゆっくりやすむほうが、心にも身体にもよろしいです。
少しラクになった頃にゴロゴロしながら「次はこうしてみようかな」などと思いめぐらすのは吉。
13 自分はどうしたいのか?どういう人でいたいのか?
クリスマス会でも帰省先の新年会でもいいです。そこに行ったら:
- 自分はどうしたいのか?
- 自分はどういう人でいたいのか?
ほんの30秒~1分くらいですが、これから行く場所で、自分がどうしたいのか・どういう人でいたいのかを決めておくと、相手や展開にかかわらず納得いく時間が過ごせる気がするのです。
本日のスペシャル
1日1冊:土居健太郎「10年つかえるSEOの基本」、Roxane Gay「Hunger」、Colm Toibin「The Testament of Mary」←わたしがストレッチしてるそばでメリル・ストリープが朗読してくれる贅沢なオーディオブック
1日1新:初めてのパン店のフランスパン、初めての読書会に申込み
ご興味ある方は、土井善晴の「一汁一菜でよいという提案」という本の95ページの図を見てみてください。自分(親)が作ったものを相手(子ども)に食べさせる意味が説明されています。
「愛情」と同じ欄に「征服」とあります。
そういうことです。(子どもはいないけど)気をつけようわたし…。