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ふと申し込んだ初めての読書会は、お題が「ブッカー賞の受賞作または候補作を紹介する」でした。
前の週に風邪をひいてたっぷりと休養したので(←重要)やることがたまっており、長い本をじっくり読む時間はありません。どうしよう…
…。
……。
グーグルさんに訊いてみました。
オーディオブックがあった
ということで、一発で Colm Toibin(コルム・トビーン)の「The Testament of Mary」に決定。
(日本語版のタイトルは「マリアが語り遺したこと」コルム・トビーン作 栩木伸明翻訳です)
Amazonの商品ページを見ると、買おうとしたKindleの他に、オーディオブックがあるではありませんか。ふむふむ。
1,464円。Kindleよりは高いけど、ペーパーバックより安い
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CD3枚。ブツがあると読書会の皆さんと共有できる
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しかもメリル・ストリープが読んでくれる!
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買う!!
短い小説なので、CD3枚で3時間ちょっとです。
フロー体験
1日1枚1時間ずつ、3日で完読かな?と思い、ストレッチをしながら冒頭を聴き始め、やめました。これは違う。専念して聴こう。
翌日の午後、カーテンを引いて部屋をうす暗くし、椅子に座り、途中からソファに転がってじっと聴きます。
小説やクリエイティブ・フィクションを夢中になって読んでいるとき、本に描かれた絵が頭のなかに現れることはありませんか?
ひとが集まるざわめきや食べ物の匂い、窓の外に見える原っぱ、誰かにイヤ~な感じを持ったり、静かな情景に「いつまでもここにいたい」と思ったり、「そんなこと考えていたんだ…もっと話して」と語り手に言ってみたり。
寄せては返す集中の波でうっすらと我に返り、本から意識が離れたり近づいたりするのも、いとおかし。
目の前のことに集中する、マルチタスクはしない、いちどにひとつ!と心がけていても、ふつうに暮らしていると、ここまで入り込む機会はそんなにありません。
オーディオブックでフロー体験、実にたのしく幸せ感じてしまったのですよ…。
おまけ画像
写真は3枚とも、13世紀始めにドイツのケルンで作られた聖遺物箱の細工です。どれも同じ箱の一部だそう。わたしはこういうデザインに弱いのです。
メトロポリタン美術館の所蔵品ですが、自分で撮影したわけではありません。美術館の「オープン・アクセス」という方針で、コレクションの一部の著作権が解放されており、ウェブサイトの検索ページからダウンロードしました。
美しいものがどっさり!こうしてブログでご紹介することも可能。楽しすぎてつかれてしまわないように寄り道にはご注意ください。
本日のスペシャル
この記事を書き始めたときは「The Testament of Mary」の書評(←のちほど書きます)だったのに、このような展開になりました。オーディオブック、いいですよ。
読書会で「リスニングパーティー」もやりたいと思うのですが、皆さまはどう思われますか?皆で集まって画面やステージを見つめるかわりに、じっと耳を傾けるのってどんな感じでしょうか。どこを見たらいいのかしら。手はどこに置いておくのかしら。むずむずするのかしら。
1日1新:初めての読書会、初めてのカフェ・ド・クリエ店舗
暖房と週末の賑わいでホカホカだったので珍しく冷たいフレッシュ・バナナオレにしました。「少し背が低くなるのは承知ですので!」とトールサイズをシロップ抜きでお願いしたら、快く丁寧に作ってくださって感激。また行こう。
1日1冊:J.M. Coetzee「Disgrace」、George Saunders「Lincoln in the Bardo: A Novel」←知恵の輪っぽい話、天野暢子「図解 話さず決める!プレゼン―15秒で納得させる“通る資料”のつくり方」←お風呂で読む、Roxane Gay「Hunger」読了
読書会の参加者の方にお借りした本「Disgrace」と、別の方にご紹介いただいた本「Lincoln in the Bardo」をさっそく開始しました。どちらもブッカー賞の受賞作。