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遺伝性の慢性膵炎のわたしが15年あれこれ試行錯誤して、自由になれたルールをご紹介します。(ルールで自由になるのがいいですよね!)
いまでも会食がおっくうに感じることはあります。そんなとき、このルールを見ると楽しみに。
人はそれぞれ身体も事情も違いますから、すべてがあなたの役に立つかどうかはわかりません。もしも「お。いいかも」と思うような情報があれば、好きなのだけをお持ちになり、ぜひお試しを。
1 なぜ参加するのか知っておく
そもそもなぜ、その食事会に参加するのでしょうか。
抽象的でも(ふれあい?人を知ること?自分を知ること?たのしむこと?生きる練習?)
具体的でも(〇〇さんの誕生日を祝う、■■について意見を聞く、お互いの仕事をねぎらう)
自分に対して確認してから参加すると、楽しみながら、人や場にも貢献できる気がします。
ケーキを食べに来たのではないことだけはたしかだ、わたし。
2 大切なことは何かを知っておく
わたしにとって大切なのは、心身がラクなこと、健康と安全が第一、激痛を回避すること、入院しないこと。
優先順位の問題ではなく、二択の勝ち抜き戦ですので、どんな相手/選択肢と当たっても結果は同じです。
3 食事会で「栄養素」を摂ろうとしない
会食は、ミネラルやビタミンやたんぱく質などの「栄養素」を摂る場所ではありません。家でもどこでも、別のところで摂ればよし。
なぜだかわたしの頭には「栄養バランスを!」という強迫観念がこびりついているのです。(わたし以外にもそういう方はいらっしゃるのではないでしょうか?)
このルール3を思い出すと「パンだけ食べよう♪」とリラックスした気持ちになります。
4 空腹は絶対に我慢しない
膵臓の弱い人・弱っている人は、血糖値を調整するホルモン分泌がうまくいきません。低血糖でぶっ倒れては危険です(し、仮に安全だとしてもかなりかっこわるいです)。
わたしは基本的に、パーティーや会食の前にしっかり食べてから行きます。安心ですよ。お腹が空いていないと「感じいいひと」でいられるので、周囲にも貢献することができて良いことばかりです。
5 中抜けOK
事前に食べる時間がなくて、会場に着いたら食べられそうなものがない?
仕事やイベントのあと、そのまま打ち上げや懇親会に流れる?
そういうときは、周りの誰かにひとこと声をかけて、途中で中抜けし、何か食べましょう。あなたひとりが30分いなくても食事会が台無しになることはありません。パーティーは途中で抜けてもいいんですよ!
安全に腹ごしらえをして晴れ晴れと参加しましょう。余裕をもって人と接することができます。
6 議論に参加しない
あなたが食べるもの・食べないものについてあれこれ言う人がいたら、食事会に参加した目的を思い出しましょう。なぜ参加しているのでしょうか?
すっとこどっこいな発言には反応しないのが得策です。(場合によってはピシっと言うのもよいですが)
しつこくしてくる人は、あなたに注目されたい、酔っぱらっている、あるいはその両方です。注目は間に合ってる人・酔っぱらっていない人に注目すると、会話が楽しくなります。
7 決め台詞を用意しておく
お店のジャンルに合わせた「決め台詞」を用意しています。仕事でもなんでもそうですが、くり返し使うアイテムを毎回作る時間やエネルギーってばかになりませんよね。状況に合わせた定型文を作っておくとスムーズです。
インド料理*
「マンゴージュースを氷なしでお願いします」
*お店のナンは生地じたいが高脂肪なことが多いので注文しません。
タイ料理
「レモングラスティーをお願いします」
ホテルのラウンジ
「バナナとメロンとマンゴーを〇〇円くらい、盛り合わせていただけませんでしょうか」
話が早そうな雰囲気のお店
わたし「料金はきちんとお支払いしますので!△△ピザを、ソースなし、チーズなし、オイルかけない、トッピングなし、ピザ生地だけ、パンの部分だけお願いします。素焼きで」
お店の方「おう。素焼きで!」
8 ひとりじめOK
カリカリピザの素焼き、熱々のフランスパンどっさり、すてきフルーツ盛り合わせ。こういうものがテーブルに運ばれてくると、
「うわ~!」
「おいしそう!」
「なに、それ!?」
と期待の目で見られるかもしれません。目新しいもの、他人のお皿にあるものを、ひとは欲しくなるのです。
「どうぞ、食べてみて」と言ってしまいそうになったら!ぐっとこらえてひとりじめしましょう。理由はカンタンです。
みんなで分けたらなくなっちゃうでしょ? (うん、一瞬でなくなった)
同じものを追加注文したとして、それが出てくるのはいつ頃かしら? (もう最後のほうだった…とほほ)
そのあいだ空腹を我慢しますか?低血糖でぶっ倒れますか? (しかたなく人のを少し食べて、あとでお腹痛くなった)
みんなに長々と説明をする必要はありません。そんなことちょっと考えたら周囲のひともわかるのです。目が欲しくなってしまっただけ。
自分のお皿にあるものを優雅に堂々と味わいましょう。
9 気持ちよく支払う
食べても食べなくても、支払いが気持ちよく運ぶと最高ですよね。お金についてはこのように考えてみてはいかがでしょうか。
Q 会費を払っているのに、少しでも食べないともったいないのでは?
A 迷うときもありますよね。そういう誘惑にかられたとき、わたしはこのように自問しています。
「入院した場合と、どちらがもったいないかしら?」
「夜中に激痛で目が覚めるのだけの価値が、あるかしら?」
「そもそもこの会食に来た目的は何かしら?」←これ本当に大切。
Q 会費制ではなく個別に料理を注文するスタイルのとき、特にフレンチやイタリアンなど、料理を注文しないとお店に対して心苦しくないですか?
A たしかに心苦しいですよね。
みんなと同じようにお料理を注文して、まったく手をつけないで全部残す、という方法もありだと思います。ただ、お料理が目の前にあると、残すと決めていてもつい食べてしまうことがあるので安全ではないかも。
わたしはこんな風にしています。メニューを見て同じテーブルの平均的な客単価を想定します。たとえば、周囲の方々がプリフィックスのランチ2,000円を頼むなら2,000円くらい。(飲み物は別として)
そして、2,000円なら2,000円分の注文を一気にしてしまいます。(←最初に注文しておくと、お店の方に安心してもらえます)
2、3種類の飲み物をたのめば、金額をクリアできるはずです。わたしはフレッシュジュースや温かいハーブティーが好き。お腹が空いていればフランスパンを単品でもらったり、フルーツ盛り合わせを作ってもらいます。
結婚式の披露宴にあるような、シャンパンにワインにお水にウーロン茶、いろんな飲み物が林立?している、華やかなテーブルの様子を想像していただければ!
10 高級ホテルには進んで行く
なぜなら:高級ホテルでは(あなたやわたしのように)少々変わったリクエストのお客さんを、手ぐすね引いて待っていてくれるからです。具体的な要望をお伝えしてお任せすればそれでOK。ほっ。
本日のスペシャル
1日1新: Reply All
1日1冊:向井領治「いつでもどこでも書きたい人のためのScrivener for iPad & iPhone入門」