わたしが3年生から5年生まで通ったイエズス会(日本に布教に来たフランシスコ・ザビエルが創立メンバーの、カトリック教会の修道会)の小学校には、ちょっと風情のよい図書館がありました。マホガニー調こもり系インテリアで、静かで空いてて本が読みほうだい借り放題。

学校という場所は整った環境なので、ハコ自体は好きでしたが、エネルギー爆発中の人々で大混雑なのが玉に傷。図書館ではほっとひといきつくことができ、心がやすまるのです。

古事記物語に聖書物語、ギリシャ神話に西遊記、ルパンにホームズ、ピッピにナルニア、田中角栄にナイチンゲールと、その頃の妄想系小学生が読みたそうなものがざくざく。葉っぱに乗っかった毛虫のように、まいにちムシャムシャ読む。岩波少年少女文庫ばんざい!

そのうえ図書館には司書のシスターがいて、子どもの「なぜ」「なに」「どうして」にすらすらと答えてくれるのです。 シスターはプロの宗教人ですから、なにかと宗教の話になります。

無神論者の母は
「カトリックの教えには素晴らしいところはあるけど、変なところもあるから、よさそうなところだけ聞いておけばいいから」
と話しており

こだわりの無い父は
「ヤル気が起きないときは誰にでもある。そういうときに頼らせてくれて元気にしてくれるのが神様じゃないか!なんだっていいんだよ」

わたしといえば
(そ、そうなの? そっか…)
とにかくわたしは図書館と、司書シスターとの対話が大好きだったのです。

ある放課後、ダーウィンの偉人伝を読んだわたしが得意げに
「進化論をどう思う?」

と訊いたら、シスターは
「ふーん。進化論。じゃ聞くけど、なぜ今その辺に猿から人間になってる途中の人がいないの?サルからヒトに進化する途中の誰かなんて、あゆう子ちゃんは見たことある?ないでしょう。だから進化論は間違いなのです」

が、が、がーーーん。
ほんとだ、いない…ひとりもいない。

ヨロヨロ帰った記憶があります。(アホですな)

社交の場で宗教の話はタブー、とよく言われますが、わたしは人の宗教的・信教的な背景(どういう環境で育ったか)についてカジュアルに話を聞くのがきらいではありません。

むしろけっこう好きですな。

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メトロポリタン美術館のコレクションからパブリックドメインの作品「ノアの方舟」 [Image source: Noah’s Ark]

 

本日のスペシャル

1日1新:セブンイレブンの低脂肪乳
1日1冊:George Saunders「Lincoln in the Bardo: A Novel」、Alissa Nutting「Made for Love」、魯迅作 井上紅梅訳「阿Q正伝」それぞれつづき。

今日も「The Testament of Mary」の書評を書こうと思ったのに、まだたどりつけません。なぜその辺に猿から人間になっている途中の人がいないのかは未だ解明できていないのですが、明日教えてもらえるかも。

 

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